交通事故の基礎知識

• 保険について

たまに誤解されている病院や被害者の方もいらっしゃいますが、交通事故によって負った傷害の治療には、健康保険を使えます（接骨院（整骨院）も同様です。）。これは、厚生労働省の通達や、健康保険法や国民健康保険法がその根拠となります。

例外的に健康保険を使えないのは、労災事故にあたる場合（この場合は労災保険を用います。）のほか、被害者が故意に事故を起こした場合や法令違反による事故の場合です。

よく加害者側の保険会社から、健康保険を使うよう求められることがありますが、これは、保険診療では医療費の1点あたりの金額が決められており、これだと一般に安いことが多いことがその理由です。この点、被害者側にとっては、（あえて保険適用外の治療を希望しない限り）これを拒否する理由は特になく、むしろ、被害者側にも過失がある場合（＝被害者側も一部負担しなければなりません。）や、保険会社から治療費の支払いを打ち切られた場合等には、積極的に健康保険を使った方が良いといえます。

なお、交通事故で健康保険を使うためには、「第三者行為による傷病届」等を提出する必要がありますが、これらも提出して特に問題はありません。